diary

 

(2024年8月20日)

僕が2017年に描いた絵本「ザキはん」(扶桑社)の出版をきっかけに、岡山県真庭市・湯原温泉の「はんざき祭り(8月8日)」には毎年参加しています。

昨年は、祭りの日が台風のために急遽延期となってしまい、他の仕事と重なり参加できなかったので、二年ぶりの湯原温泉でした。

湯原温泉の名物である天然記念物のオオサンショウウオ(別名・はんざき)の山車やねぶたも登場する奇祭「はんざき祭り」は本当に日本の伝統的な夏まつりの素晴らしさを「ぎゅっ」とした感じの素晴らしいイベントで大好きです。

今年もU-sukeは前夜祭から参加して「ザキはん」絵本のサイン会や、レーザーで自ら作ったアクキー、Tシャツなどのグッズの販売を行いました。

▲前夜祭は、本部テント内のU-sukeグッズコーナーを設置。旅館組合、観光協会の役員の方やスタッフの方ともひさしぶりにお話ができて楽しかった。そして多くのお客さんが絵本「ザキはん」を知ってくれていてうれしかった。

▲今回、このイベントに向けてU-sukeがコツコツ作った「はんざき」シャカシャカアクリルキーホルダー。はんざきのお腹の中にはんざきが食べるエサと湯原に関係したパーツが入っている。子供たちに大人気で、用意した分はすべて売り切れました。


▲日本オオサンショウウオの会事務局長であり、オオサンショウウオ生態保全教育文化研究所・所長の田口さんと。いつも田口さんとお話をすると、オオサンショウウオの生態や生息の現状や問題などを楽しく分かりやすく教えていただけて、勉強になります。

▲前夜祭の豪華抽選会で、地元の子供たちが大盛り上がり。

▲本祭は毎年おなじみの鼓橋近くの「はんざきブース」でのグッズ販売。

▲京都から毎年参加してくれる絵本ファンの子供たちからのイラストとメッセージ。とっても上手で感激。こちらこそありがとうです。


▲昨年個展でお世話になった西宮のギャラリー「ねうねう」の諏訪さん親子とご友人も遊びに来てくれました!

▲湯原温泉ミュージアム2階資料館では、湯原ゆかりの俳優「沼田曜一展」を開催中。原爆の絵本「おこりじぞう」の沼田氏による語りの迫力は凄まじい。

▲新しくできたはんざきモニュメント。頭を口に入れられます。

▲マンホールにもはんざきが!

▲民家の側溝にサワガニが。

▲美しい田園風景。

▲川に設置されたはんざきの産卵用の人口巣。

▲商売繁盛の神様・えびすさまの「えんむすび」。

▲下湯原ひまわり館のランチ・そばと鹿肉丼のセット(上)鹿肉コロッケ(下)。

 

僕が湯原温泉に関わるようになってから、ずっとお世話になってきた観光協会のスタッフの方がいました。

湯原温泉で行われた謎解きゲームや湯原ダムPR、送迎バス、日本オオサンショウウオの会全国大会などなど…これまで色々なイベントで「ザキはん」を活用した企画を考えてくれて、一緒に地域を盛り上げてきました。

彼女のおかげで遠くに住んでいる「よそ者」である僕が、湯原温泉のまちおこしに地道に参加し続けることができ、僕自身も、東京の人間が絵本だけ作ってあとはほったらかしというのは絶対に嫌だったので、少しでも力になろうとかならず毎年湯原には顔を出して関係を続けてきました。

昨年も、ザキはんを活用した新しい企画が進み、ZOOMで打合せなどをしていたのですが……その彼女が病気でお亡くなりになってしまいました。あまりに突然のことでした。

僕とそんなに年齢も変わらない若さなのに…ついこの間までLINEのやりとりをしていたのに…急なできごとでびっくりして言葉を失ってしまいました。

近しい家族の方々や一緒に働いているスタッフや地元の皆さんの悲しみに比べたら、僕との関係はここ8年くらいの浅いものだったのかもしれませんが、僕にとっては湯原温泉の顔のような存在だったので喪失感は大きく、これでもう今後は湯原温泉に行く機会もなくなってしまうかもしれないな…と思うほどでした。

そんな気持ちのまま参加した今年の「はんざき祭り」だったのですが、会場でその方の娘さんと偶然お会いしてお話をすることができたり、スタッフの方や地元の方、来場者の方たちがいつもと変わらず優しくてあったかくて…。

彼女が愛した湯原温泉のためにも、はんざき祭りのためにも、僕はこれからも微力ながらできるかぎり協力したいと強く思いました。

また来年も「はんざき祭り」に行くのを楽しみにしています。